恋の居場所
第28章 空笑い
夕方砂浜に戻ると皆が居た
「あ、妃巳架おかえり!」
「女将さんに聞いたけど何処行ってたんだ~」
もう涙なんて出てないけど笑顔を作るのが苦痛で出来ない
「おっさんと会ってた」
このワードを口に出すだけで唇が震えてしまう
「..どうだったの..?」
ユマの質問で皆も興奮気味な眼差しをしてる
「フられちゃった.....アハハ」
絶対ひきつった顔しちゃってるよね
だけどあたしが泣いたりなんかしたら折角の旅行を台無しにしてしまうもの
「妃巳架...笑わなくていいから」
「そうだよ..」
「バーカ!! 別に無理してないから!
気持ち伝えたしスッキリした」
・・・皆も笑ってよ・・
どうして皆が辛そうな顔するのよ
もっと辛くなっちゃうじゃないの
「おい皆! 妃巳架もそう言ってんだし明日までは楽しもうぜ?な?」
冬磨...ありがとう....
「じゃあ海に向かって走るぞー」
オーと叫びバーッと冷たい海に向かって走っていく皆
流石に寒いようで悲鳴が聞こえる
「妃巳架..」
春樹だけが皆から外れあたしの元へやってきた
「あいつとどう話した?
言いたくなかったらいいけど..」
「ぜーんぜん平気だよ!」
あたしは全てを話し始めた
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