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暗い少女は明るい少女?

第53章 僕の弟

「希一、何で?」

「…」

まただ。
この聞き方じゃ駄目だ。
後にしよう。
百合の目の前でこんな不自然なやりとりしてたら、いくらなんでも怪しいと思うだろう。
いや、怪しすぎる。

「希一、帰ろう。」

僕は希一と純を促す。

「ちょっと待ちなさいよ!」

百合が希一の手を掴む。
希一が眉を潜める。

『離せよ。』

そう言いたげな表情だ。

「言ったはずだ。もう希一には構うな。放っておいてくれ。」

僕が強い口調で言う。

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