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暗い少女は明るい少女?

第53章 僕の弟

「希一くんのことが心配…か。兄貴だもんな。何かあった後じゃ遅いし。」

「…」

僕がずっと黙っているのに気付いた純は不思議そうな顔をした。

「あれ?俺が言ったこと何か違う?」

僕は言った。

「1つだけ間違ってる…。何かがあった後じゃ遅いんじゃない。もう何かがあったんだ…。」

「えっ?」

「希一の声が出なくなった…」

純は愕然とした。

「希一くんの声が…出なくなった…?」

僕は吐き出すように純に言った。

「それが宮城百合のせいだったとしたら…傷害罪だよな。」

純は何て言えば良いか分からなかったらしい。

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