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決して強がっている訳でも勝ち気な訳でもない。
僕はいくら自分を傷つけようとしても無駄だと言いたかった。

｢自分の心は繊細なガラスだ｣と自分で言って自分を擁護しようとする意地悪なクラスメートに嫌気がさしたから言ってやっただけ。

いや、僕にも自分を擁護する目的はあったかもしれない。
でも｢繊細なガラス｣という言葉を使って如何にも自分がデリケートですとは言いたくなかった。

｢柊一は防弾ガラスって言ってたよね。｣

灰音は僕が思い出していた高校時代の思い出を思い返すように言った。

｢私、少し憧れてたの。柊一の防弾ガラスの心にね。｣

僕の名は柊一。
チクチクした柊の葉のような男。
僕的な自分の名の解釈は｢嫌なこと全部跳ね返すチクチクした柊｣というものだった。