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「ゴメン。好きな子がいるだ。」

僕は何を言ってるんだ？好きな子なんていない筈なのに口が勝手に動き出して止まらない。
「好きな子って灰音さん？」　

すみれが聞く。
その時、僕はドキッとした。図星だからじゃない。こんなこと言われたら誰だってドキドキするよな。

「ごめんね。大学生になるまで彼女は作らないって僕決めてるんだ。」

「分かったわ。変なこと言ってごめんなさい。」

「いいさ。でも、どうしてあんな誘拐絡みなマネを？」

「ああ、アレね。灰音さんが教えてくれたのよ。柊一くんはそーゆーのが好きなんじゃないかって。」

灰音のヤツ…。
僕は、灰音のふざけっぷりに怒るを通り越して呆れかえってしまったのだった。