
許嫁から始まる恋
第7章 EPISODE #7
「……な………め……」
「…はい?」
小春はか細い声で何かを訴えるが
俺には聞こえず、聞き直す。
「だ、から、雷…私、だめ…なの…」
「……まじですか?」
小春は頷く。
あの強気な小春にこんな弱点が
あるとは、可愛いすぎる。
いや。でも、待て。このままここに
居たら、いつ帰ってくるかわからない
冬馬にこの場面を見られたら
確実に冷やかされる。
「小春、ちょっと場所変えよう。」
俺は、俺の体を離さない小春を
お姫様抱っこし、階段を降りて
リビングへと向かう。
小春をソファに座らせ、俺の体から
離れさせようとするが、離れない。
「小春、ちょっと少しだけ離れて?」
小春は首を横に振り、俺の体に
ぴったりとくっついたまま。
やばいってー。
ほんとにやばいって。
理性が持たないから。
