
ヴァンパイアの誘惑<短編集>
第2章 メガネヴァンパイアの誘惑
「…うん」
二人で苦笑いをすると、後ろから先生に話掛けられた。
「橘、お前今日日直だろ、放課後資料室掃除しとけよ〜」
「へ!?」
確かに私は今日日直だけど、何でそんなこと…
「んじゃ、よろしく〜」
私が反論する前に逃げていった先生。
「嘘…」
先生、ひどい…
「ごめん…あたし放課後委員会あって手伝えない…どんまい、美優」
ぽんっと肩を由香に叩かれてガクリとうなだれる私。
「ありがと、大丈夫…」
そう、無理やり笑えば由香が私から違う方に視線をずらした。
