身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第10章 第二話 【桔梗の涙】 切ない口づけ(キス)
「―」
ユンはもう何も言えなくなった。
「失礼かもしれませんが、最後にこれだけは言わせて下さい」
明姫が小さく胸を喘がせる。
「大丈夫か?」
大丈夫というように頷き、彼女は小さいけれど、はっきりとした口調で言った。
「―愛しています」
「―明姫」
今度はユンがヒュッと息を吸い込んだ。
「このような身を殿下に慈しんで頂き、本当に幸せでした」
その声音には微塵の恨みもなかった。ただ静かな諦めが宿っていた。
ユンはもう何も言えなくなった。
「失礼かもしれませんが、最後にこれだけは言わせて下さい」
明姫が小さく胸を喘がせる。
「大丈夫か?」
大丈夫というように頷き、彼女は小さいけれど、はっきりとした口調で言った。
「―愛しています」
「―明姫」
今度はユンがヒュッと息を吸い込んだ。
「このような身を殿下に慈しんで頂き、本当に幸せでした」
その声音には微塵の恨みもなかった。ただ静かな諦めが宿っていた。
作品トップ
目次
作者トップ
レビューを見る
ファンになる
本棚へ入れる
拍手する
友達に教える