身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第4章 第一話【桜草】 蜜月と裏切り
「だって、あの人は」
「あの人などという呼び方は止めるんだ。ちゃんとお祖母さまと呼ぶんだ」
きつい口調で言われ、明姫は渋々〝判ったから、そんなに怒鳴らないで〟と呟く。
「そなたのことを心配されていたぞ」
「誰が」
依然としてあらぬ方を向いたままの明姫である。それでも、ユンの静かな声が心に滲みた。
「お祖母さまに決まってるだろうが」
「あの人―お祖母さまが私のことを心配してた? あり得ない」
ユンに睨まれ、慌てて途中で言い直す。
「そなたが部屋を出ていった後、私に直々に言われた。そなたのことを末永くよろしくと」
「あの人などという呼び方は止めるんだ。ちゃんとお祖母さまと呼ぶんだ」
きつい口調で言われ、明姫は渋々〝判ったから、そんなに怒鳴らないで〟と呟く。
「そなたのことを心配されていたぞ」
「誰が」
依然としてあらぬ方を向いたままの明姫である。それでも、ユンの静かな声が心に滲みた。
「お祖母さまに決まってるだろうが」
「あの人―お祖母さまが私のことを心配してた? あり得ない」
ユンに睨まれ、慌てて途中で言い直す。
「そなたが部屋を出ていった後、私に直々に言われた。そなたのことを末永くよろしくと」
作品トップ
目次
作者トップ
レビューを見る
ファンになる
本棚へ入れる
拍手する
友達に教える