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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第26章 第二部【身代わりの王妃】 哀しみの果て

 春花は自分の身体が意外なほど冷え切っていることに気づいた。手も足も、身体のすべてが既に燃え盛る生命の焔が消えてしまったかのように冷たい。
 私、死ぬのかしら。
 そう考えた刹那、何故か、死にたくないと思った。
 だって、私はまだ大切なことを伝えていない。ずっと、あなたの側にいたいと、あの男に本当の気持ちを話していない。だから、今、死ぬわけにはいかない。

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