
薔薇はあいを囁く
第5章 男ともだち
「…っ…!?」
誘導されて二階の須藤くんの部屋に連れて行かれたとたん。
後ろから抱き締められてしまった。
ドキン、と、心臓が跳び跳ねる。
耳元に、須藤くんの息がかかったから。
「お前、バカなの?」
「ば、ばかって?」
「のこのこ男の誘いに着いて来やがって。このままやられても、おかしくねぇぞ?」
「…す、す須藤くんとは、お友達だから、これ以上は、無理だよ?」
「お友達ね…で、そのお友達に、どんな興味を持ったんだよ?」
「…実は、相談というか、聞きたい事があって。」
「あ?聞きたい事?」
「うん、だから、ちょっと離れてくれないかな?」
そう言うと、さらに須藤くんに腕に力を込められてしまった。
「…んっ?良いけどさ。もうちょっとだけ、いいか?」
「…え?困るよ。」
「だって…お前、薔薇のいい香りがする。」
ドキドキする。
毎晩立人さんと、エッチな行為してるから、匂いが移ったのかも。
