薔薇はあいを囁く
第3章 薔薇の正体
パタン。
あいを残して、部屋を出た。
高鳴ってしまった気持ちを一旦沈めなければ、ヤバイと思った。
あいが16歳になるまで。
最後まで抱くことは出来ないから。
「…っ」
その瞬間、背後から香る、甘い香水の匂い。
「立人さま。」
振り替えると、先ほど扉を開けてくれたメイドの五美が僕の背後から、抱きついていた。
「…愛さまの後で構いませんから、私をお相手願いませんか?」
「……」
彼女は、自慢の胸をぎゅうぎゅう僕に押し付けてくる。
ヤバイ……気持ちが悪い。
「どけ。」
「…はい?」
五美は、信じられないと言う顔をする。
「気分が悪いから、どけ。」
素直な気持ちを、言葉に出していた。
彼女の綺麗な顔もボディラインも今じゃ霞んで見える。
五美は、あいが来るまで、遊びで抱いてやった女のひとり。
マゾで、僕の言うことには、従順だったメスブタだ。
「は、はい。申し訳ございません。」
「二度と、僕に迫るなよ?」
腰に回された手を振り払い、冷たく言った。
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