テキストサイズ

君のため。

第62章 ◇真剣に◇

私のことをあなたは

最後まで一人の女性として見ていたよ

って、言ってくれたね。


一人の女性。


でも、あなたは、だからこそ、
どうして愛しあってるのに一緒になれないの?って。

なんで嫉妬しなけらばならないの?って。

ひたすら苦しんだんだね。


そしてあなたは決して強くはないから、
自分で自分がわからなくなって。
冷静な自分を見失って。
ただただ、ひたすら苦しんで。
そして終わりへと逃げることになる。


あなたは
一緒になれないなら、別れる。意味がない。

私は
一緒になれなくても、会いたい。嬉しいから。


お互いに求める愛が決定的に違っていた。
どうにもならないボタンのかけ違い。
だから別れは仕方のないことだったのかもしれない。


でもね。これだけは言える。

お互いにね、真剣だった。

あの時の私たちは、

お互いに不器用で

ふたり違う方向を向いていたのかもしれないけれど

お互いに、自分なりに

真剣に愛していたんだよね。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ