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君のため。

第172章 名前。

本当の名前とは全く違う私の名前。


彼だけしか呼ぶことのないその名前。


彼がメールで、
その名前を呼ぶ。


その名前の文字を見つけるだけで
私はすごく嬉しい。


大した内容でもないメール。
だけど何度も見返す。




今度実際に逢って
彼にその名前を呼ばれた時の私の表情。
気をつけないと。


喜びすぎちゃいけない。
冷静に。冷静に。


彼はあくまでも彼女さんのもの。
何も求めてはいけない。冷静に。

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