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ふいに顔を上げた侑斗は俺に背を向けたまま言った。


「これからすること、あの人には言うなよ」


少しだけ顔を傾けて半分だけ表情を見せた侑斗に、俺はただ一言


「分かってる」


侑斗は俺に、悪いな

と一言漏らすと彼女に向き直って

触れるだけの口づけをした。


「俺、止まれないかもしれない。だから嫌なら逃げてくれ」


侑斗が呟くように溢した言葉に

彼女は彼女らしい答えを出した。


『侑斗がいいなら、それでいいわ。だから私は逃げたりしない』


「どうなっても知らないぞ」


彼女を抱き締める侑斗は

そのあとで俺を呼んだ。