あたしは被害者
第8章 5人目のターゲット
ガヤガヤと周りの
声が目立ち、
学校が近づいてきた。
彼のアドレスと携帯番号を
知った。
自分のは教えないでおくのが
いい作戦なのよね………。
「へぇ!
あそこに住んでるんだ~!」
「僕たち結構近所だったん
ですね!
気づきませんでした!」
「あたしもあたしも~!」
都合がいいね。
「ね、明日も一緒に
学校いこーよ~」
さっきまで笑っていた彼は
あたしの言葉を聞くなり
足を止めてうつむいた。
「あ、だ……だめだった?」
またゆっくりと
足を進める彼。
「……だめ、じゃないんです。
そう言ってもらえるのは
すごく嬉しいんです。
僕、ずっと一人だったし……」
「ならいいじゃん……!」
「でも、竹下さんには
達也くんっていう
彼氏がいるし……
僕なんかと歩いてたら
からかわれたり
達也くんからもなんか言われます」
ひきつった笑顔を
見せる彼に
すこしだけ、
ほんのすこしだけ
触れたくなって
ほんのすこしだけ
興味が湧いて
気になって……
どうしたんだろ、あたし
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