
彼・彼女の言い分
第4章 気になる理由
シャワーの音と…俺の…
押し殺した…泣き声…
情けない…
情けない…
キィ…カサ…
『春?タオルと…着替え…置いときますね…
・・・・・・泣いてます?』
着替えを置きに来てくれた…水上に…ビクっと…なった…
「情けないないな…水上に…助けてもらっちまったな……水上…お前…強いんだな…」
磨りガラス超しに…
ドアにもたれ掛かっている水上のシルエットが見える…
『いえ…あの…バカが弱すぎるのです。
それに…私は…春に…助けてもらってましたよ……』
は・・・・?
「え…全然…動けなかったし…男として…最悪だろ…」
一発…殴りたかったのに…
怖くて…体が…動かなかったんだ…
『…私の…代わりに…あいつに抱かれるつもりだったんでしょ?
何か隠してるのは…春の…顔を見ていて分かってはいたつもりだったんだけど…
そんな…条件…出されてるとは…
無理矢理にでも…春を問いただせばよかったって…
悔しくて…』
『ありがとう…春…
好きだよ・・・・・・・』
「くそ…カッコイイな…水上」
シャワーのお湯が…
涙と共に…口に入り…
切ない…味がした…
