僕等の恋愛事情
第8章 嫉妬魔
バカだよ、茅は
なんで泣いてるんだろ
「茅っ!」
「さー君!?」
さー君が追い掛けてきてる
泣いてる顔なんて見られたくない…
茅は必死に走ったの
確か…今は使われてない校舎だ
少しボロくなった校舎へ入り、一気に階段をかけ上がる
―第2音楽室ならバレないよね…
音楽室の前まで来たら中から話し声が聞こえる
「だいたいなっちーはさ」
「なっちーってなんだよ。普通に那智って呼べよ」
「なかーたはさ」
「なかーたってなんだよ。普通に中田って呼べよ」
「なかーたなっちーはさ」
「もうなんでもいいよ」
なんだか笑える会話だな
きっと変な人の集まりなんだろうな
「坂田白君はさ」
「誰だよそれ!?中田那智です、俺は」
―中田那智?
それはどこかで聞いたことのある名前だ
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