
側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】
第16章 第三話 【むせび泣く月】 飛翔する鳥
「あなたなら、必ずできるわ、ソン。あなたがあの気持ちを忘れない限り、私と初めて町で出逢った日、幼い子どもを身を挺して庇ったときの想いをその胸に抱き続ける限り、きっと聖君と呼ばれる王さまになれる」
「この私が―聖君と呼ばれる王に―なる」
ひとすじの涙と共にソンの呟きが落ちた。
その夜、キョンシルとソンはいつものように枕を並べて眠った。ソンは夕刻に訪れてから、大殿には戻らず、そのままキョンシルの部屋に泊まったのだ。
二人差し向かいで食事をし、常と変わりなく床を並べて眠りについた。
「この私が―聖君と呼ばれる王に―なる」
ひとすじの涙と共にソンの呟きが落ちた。
その夜、キョンシルとソンはいつものように枕を並べて眠った。ソンは夕刻に訪れてから、大殿には戻らず、そのままキョンシルの部屋に泊まったのだ。
二人差し向かいで食事をし、常と変わりなく床を並べて眠りについた。
