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　トスの優しいまなざしが何より彼の気持ちを物語っている。同じ優しさに満ちた視線でも、母に向けるのとキョンシルに向けるのでは全然違う。トスが母に見せる表情は紛れもなく〝男〟であり、キョンシルに向けるそれは彼自身の言うとおり〝父〟もしくは〝兄〟、身内や家族に対する親愛の情に近いものだ。
　トスの態度は当然であった。トスが恋情を抱(いだ)く女は母ミヨンであって、子どものキョンシルではなかった。むしろ、たとえ人知れずとはいえ、母の許婚者を恋愛対象として見ていたキョンシルの方が許されるべきではなかったのだ。