
側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】
第20章 第四話 【牡丹の花咲く頃には】 花びら占い
斜向かいに住んでいる銀細工職人のウンスクだ。何を隠そう、キョンシルの髪を飾っている簪はウンスクの手になるものである。
ウンスクが呟くのに、向かいに座る大柄な男―ジュボクが笑った。
「そうだな、俺のところも夏には初めての子どもが生まれるし、ウンスクは俺より五歳も年上なんだから、さっさと嫁さんを貰った方が良いんじゃないのか?」
「何が五歳も年上だ。余計なことは言わなくて良いから、俺が年上だという自覚があるのなら、普段からもっと敬意を払え」
どうもウンスクは悪酔いしているようだ、と、ジュボクは苦笑いを浮かべた。尊敬する兄貴ことトスが晴れてキョンシルと夫婦になったことが嬉しい反面、淋しくもあるのだろう。
ウンスクが呟くのに、向かいに座る大柄な男―ジュボクが笑った。
「そうだな、俺のところも夏には初めての子どもが生まれるし、ウンスクは俺より五歳も年上なんだから、さっさと嫁さんを貰った方が良いんじゃないのか?」
「何が五歳も年上だ。余計なことは言わなくて良いから、俺が年上だという自覚があるのなら、普段からもっと敬意を払え」
どうもウンスクは悪酔いしているようだ、と、ジュボクは苦笑いを浮かべた。尊敬する兄貴ことトスが晴れてキョンシルと夫婦になったことが嬉しい反面、淋しくもあるのだろう。
