秘密の蜜は甘い
第1章 あたしの秘密
「お兄ちゃん…っ」
「ん?」
あたしは顔を上げて聞く。
質問の答えは分かってる。
分かってて聞くあたしはバカだ。
…きっと、バカなんだ。
「―――あたしの事、好き?」
優しいお兄ちゃんの答えは決まってる。
だけど『好き』と言われたくて聞く。
…バカな、あたし。
「鈴、好きに決まってるでしょ?」
あたしはバカだ。
この質問をすると、
嬉しくなる所か泣きそうになる。
…きっとあたし、『妹』って類から一生抜け出せないんだな。
他の女の子が羨ましい。
お兄ちゃんを本気で好きになる事が許されてるのだから。
告白出来る、
あたし以外の女の子が羨ましい。
…神様って意地悪だよね。
作品トップ
目次
作者トップ
レビューを見る
ファンになる
本棚へ入れる
拍手する
友達に教える