秘密の蜜は甘い
第1章 あたしの秘密
でもお兄ちゃんは、あたしの事を妹だとしか思ってない。
だからあたしはこうして
抱きついたり出来るのだ。
『お兄ちゃん好き!』とか『抱っこして!』とか。
日常茶飯事に言ってる所為か、それが当たり前となっている。
お母さんもそれは、あたしが甘えん坊だからだと思ってるみたいだ。
気付く訳、ないよね。
あたし本気なんだよ?
「じゃあ…下降りよう?
御飯出来たって」
「んー、お兄ちゃんとこうしてたいっ」
もしも妹じゃなかったら、これは愛情表現だって認識されるのかな?
どうすれば『恋愛対象』に入れて貰えるのだろう?
…きっと、あたしはどう頑張っても慣れないのだ。
「りーん?はやく起きないと、
またリクが怒るんじゃない?」
「お兄ちゃんといたいんだもーんっ」
ぎゅーっと強く抱きしめる。
…この瞬間が、たまらなく幸せだ。
学校に行ったら、『あたしだけのお兄ちゃん』が『みんなの王子様』になってしまう。
それが凄く嫌なのだ。
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