秘密の蜜は甘い
第4章 みんなの王子様
鈴が日陰でじっと俺を見つめている所為か、緊張していつも以上の力が出ない。
「うおー今日鈴ちゃん
来てるじゃん!」
「マジ?相変わらず
可愛いなぁーっ」
雪のように白い肌。病弱な体。
可愛い笑み。大きく黒い瞳。
どうやら鈴は、男の理想らしい。
その所為で鈴はとにかくモテる。
ひそひそと、俺に隠れて話す声に俺は反応する。
隠れて言っても聞こえてるっての。
俺は「鈴」というワードを出す限り
どんな会話でも聞こえる気がする。
鈴が試合に来ると、
やけにみんなが頑張るのだ。
だけど鈴は天然だから気付かない。
サッカー部は頑張り屋だと
本気で思っている。
普段そんなに頑張っていない奴も、みんな鈴がいると頑張る。
・・・むかつく。
俺以外に鈴を見せたくない。
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