愛して、愛されて。
第8章 壊れる音
バタンッ。
扉の閉まる音と共に、俺は強い力で部屋に投げ出された。
さっきまで2人で眠っていた、俺の部屋。
それなのに、何故か自分の部屋じゃない様な気がする。
それほど混乱していて、緊張していた。
戸惑うまま、俺はベットに腰を下ろす。
何も言わずただ立ち尽くす恭が、とても怖かった。
ああ。バレてしまった。
兄さんとの、あの関係が。
バレたくなかった。
恭にバレてしまうことが、俺にとって一番怖いことだったのに。
掌にグッと力が入るのがわかる。
震えが止まらない。
なぜだろう。
どうして俺は、あの時兄さんを求めてしまったのだろうか。
どうしてーーー
「なあ、奏太。」
「、、、っ。」
今まで黙っていた恭が上げた声に、肩がビクりと震えた。
なんて、言われるのか。
とてつもなく怖い。
恭の言葉が、これから言われる全てが、
怖い。
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