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甘いキスを永遠に

第56章 出産

看護師さんがようやくチェックして「じゃあ分娩室行きましょう」と言われた時は、彼女が天使に見えた。


立ち会い出産は頼んでなかったので、
元哉とはここでお別れだ。


「麻実ちゃん頑張って」


の言葉に私は頷くだけだった。


こんな時、いくら愛していても産むのは女だ。


この時ばかりは、必要なのは元哉じゃなくて助産婦や医者だ。


私は一人分娩台に向かった。

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