
紅桜学園イケメン部!
第29章 前代未聞の結果
誰かあたしを殴ってください。ただちに夢から解放してください。
きっとあたし頭おかしくなったんだ。気のせいなのかもしれない。
だからはやく、夢から覚めて。
お願いします、お願い…っ
「―――…痛っ」
自分で頬をつねった所為で、
顔に痛みが走る。
…夢じゃない。
夢か現実か、そんなのは問題じゃない。この紅コンの目玉は、どうやらミスとミスターがキスをする所にあるらしい。
…あたしは選ばれてしまった。
〝うわー可哀想ね、一位は〟
そう他人事のように言っていたあたし。…ってか想像できるわけないでしょ。
…あたし、その〝可哀想な人〟なんじゃん。
なんで告白?なんでキス?
…恥ずかしすぎるじゃないか。
あたしはじっと拓己を見つめると、嬉しそうにニヤニヤ笑ってさっきみたいに口パクで喋りかけてくる。
『キ・ス』
多分…絶対そう言ってる。
…最悪だ。
みんなの前でキスとか無理だって。絶対無理!
