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第15章 別れと出会い


「待ち遠しかったよ。」


優しい笑顔で迎え入れてくれた。



笑顔で返して
「お久しぶりね。」



客室の暖炉がゆっくりと燃えていた。



洋介がいきなり、
「トランクルームを見せて貰ったよ。
君を誤解していたようだね、ごめん。」


謝って来た。


やっぱり貴方は箱のなかを見ていたのね。


「勝手にトランクルームを見たのね、酷いわ。でも私がこの家から勝手に持って行ったのは申し訳ないから返すわ。」



部屋の奥から持って帰った彼の竹の杖を出し

「公になるお金だと思ったのね、彼にはそんなお金無いわ。」



「僕は父まで疑ってしまった。」



「そうね、残念だわ。私達終わりにしましょう。」



彼は止めようとしたが、私の決心が固いのが分かったせいか


「こんな形で終わらせたくは無いが、疑った僕に責任がある。」


彼も覚悟していたのだろう。
手切れ金を入れたキャリーバックを出した。
迷わす受け取り、彼の家を出た。


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