
喘ぎ声レッスン*SS追加中*
第30章 白い空気
お父さんが亡くなってから一ヶ月。
葬式や色々忙しくて全く会えない日が続く中、あと数日で春休みに突入しようとしていた。
社長としての仕事、それらをこなすのは記憶の無い優にとっては困難なものだった。
あたしは優に毎日メールしたりするものの、忙しい優とは会えなかった。
未だに記憶を取り戻さない優とメールする時は、出来るだけ昔話を掘り出さないように心がけた。
だけど偶に『あの時こう言ったよね』とか送ってしまうと、優は決まって『そうなんだね』という返事が返ってきた。
それが切ないものの、記憶の無い優にはしょうがない・・・と、泣きそうになるのを堪えた。
