
喘ぎ声レッスン*SS追加中*
第29章 全ての誤解
「お前にはあの日の記憶はないかもしれない。
だから、あの日と言われても分からないだろうけどね。
…お前の心底の笑顔を、
あの日見られて良かった」
ピッ……ピッ……
お父さんの鼓動の速さを示す音が、段々ゆっくりになっていく。
「…――だから、優。ごめん…ね。
俺がいっぱいお前の幸せを…奪って…しまった。
時間は…も、もう…どせない…っ
もう償う事も…もう出来ない…」
ピッ…………ピッ…………
「だから…天国で祈って…る。
お前を縛り付けた俺は天国に行けるのかも分からないけど。
でもずっと願ってる。
…彼女と…幸せに…な…」
ピ――――――ッ
それは、心臓が停止した合図。
