
喘ぎ声レッスン*SS追加中*
第21章 消えた記憶
「ねぇ、梓ちゃん。
…少し良いかな?」
あたしはお父さんに呼ばれ、病室をあとにした。
優とこれ以上居たら泣いてしまいそうだったから、お父さんに感謝しなくちゃ駄目だ。
「…あのね、優の事なんだけど」
あたしをじっと見つめながら、ゆっくり口を開いた。その顔は優が真剣な時に凄く似ていた。
「つき合っていた事を、
告げないで欲しいんだ」
お父さんの声が、痛い程に胸に突き刺さる。あたしは優とつき合っていた事実を伝えちゃ駄目なの?
「な、なんでですか?」
震える声で聞き返した。
