
喘ぎ声レッスン*SS追加中*
第20章 静かに笑う
「もしかして、
誰かと間違えてる?」
パリンッ……
まるで狙ったかのように、その言葉の後にガラスが落ちて割れるような音が聞こえた。
「・・・え?」
あたしは優に聞き返した。
聞こえてたけど、聞こえない。
聞こえない、聞きたくもない。
「俺の事あんまり愛しそうに呼ぶからさ、勘違いしそうになったよ?
きっとその彼氏さんは愛されてるんだね」
綺麗な笑みを浮かべて、
残酷な言葉を発する優。
「君の名前は?
俺は伊集院 優だよ」
聞きたくない、聞きたくない。
院長さんが言ってた事。
記憶が無くなるかもしれない。
そんなドラマじみた事、ありえないって心のどこかで思ってた。
なのに・・・なのに。
