
喘ぎ声レッスン*SS追加中*
第19章 彼の顔
あたしは必死に走る。
タクシーを拾うなんて事を考える余裕すら無い。
中央病院はすぐそこだ。
走れ、走れ。
周りに居る全ての人が、
物が邪魔だ。
今は空気の抵抗さえが邪魔。
あたしは泣くのも
忘れて駆けていた。
・・・だってだって。
あんなに元気だったんだよ?
仁と喧嘩してたじゃない。
今日だって
「ウエディングドレス見たい」
って言ってたじゃん…
楽しみだって…言ってたじゃない!!
約束破るとかないよね?
優はそんな人じゃないもん。
結婚するって、約束したじゃない。
ねぇ、どういう事?
