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……どうしてこうなった?

第8章 初デート

ヴゥウウウウンッ……

エンジン音をあげ、二人を乗せたバイクは来た道とは違う道を走る。


「ちょっと……先輩、帰る道なんですか、こっちって」

声を張り上げて優花は文句を言うが芹沢はエンジン音で聞こえないふりをして単車を転がす。

信号もないため、ノンストップで先へ先へと進んでいく。


このまま人気のないところに連れて行かれ、レイプされてしまうのでは……

優花はそんなことまで頭をよぎり、涙目になる。



しばらく走ったあと、どう見ても駅とは思えない場所に到着し、芹沢はエンジンを止めた。

「ちょっと芹沢先輩、どういうつもりなんですかっ……私は帰りたいって……」

「いいから。着いてこいよ」

「そうやって人の意見も聞かないで勝手なことばっかりして……ほかの人はそれでも合わせてくれたのかもしれませんけど、私は嫌ですからねっ!」

子犬がキャンキャンと吠えるように可愛らしく怒りをあらわにする。

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