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……どうしてこうなった?

第33章 動く歯車

優花は副島が言っていた『陸奥会長だって辛いこともある』という言葉を思い出していた。

確かに廊下ですれ違った時の陸奥はいつもと違っていた。

いつものような控えめな振りをしながら堂々と胸を張って歩いている時の気迫がなかった。


『もしかしたら、本当に、これが最後なのかもしれない』


そう考えると嬉しくなる。

しかしどこか、不気味なほどに静寂な陸奥に危険も感じていた。

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