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……どうしてこうなった?

第28章 交わらない平行線

もちろん彰人の処罰が軽いほうが嬉しいので退学にならなかったことは本当に嬉しい。

しかし東雲学園の厳しい教師たちが一度決めた援助交際と退学というのをあっさりと引っ込めたことはちょっと不可解ではあった。

とはいえ。

「よかったね、彰人」

一週間の停学で済んだ報告を彰人本人から受け、優花はすぐに橘の家へとやって来た。

「良くはねーだろ? 一週間停学ってちょっと厳しくね?」

「文句言わないのっ! 退学じゃなかっただけ良かったと思わなきゃ」

優花はぴしゃりと橘に釘を刺す。

「まぁな……悪ぃな、優花……心配かけて」

「ううん。昔っから私が彰人に心配かけっぱなしだったもん。たまにはいいでしょ?」

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