359°
第7章 芽生えた感情と嫉妬
ふとバックミラーから視線を感じた。
拓哉と目が合う。
「…どうした?」
俺は内心焦りながら聞く。
「いや、さっき…マサに会った」
「…ああ…」
なんだ、マサのことか。
「あいつ、まだ俺のこと諦めてなくて…」
「はは、あいつはゴキブリ並みにしつこいからな」
拓哉はサイドブレーキを下ろして、アクセルをゆっくり踏んだ。
車は夜の繁華街を走り出す。
俺は流れる窓の外を眺めながら、拓哉の次の言葉を待った。
「………撮られたんだ」
拓哉が静かに言った。
「え?何を?」
俺は拓哉に振り向き、聞き返す。
「…マサに迫られてるところを、一般人に撮られた」
「えっ…」
拓哉の言葉に耳を疑う。
「マジでか?」
「…ああ。だけど、マサが追いかけてデータは消去したらしい…」
その言葉に俺は、ホッと胸を撫で下ろす。
「あのやろ…マジで自覚ねぇな」
今度会ったら、ケツにネギぶっこんでやろうか…
あ、わりぃ、下品だよな(笑)
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