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雪の華~Memories~【彼氏いない歴31年の私】

第3章 LessonⅢ 悪意ある噂

 と、左隣の子はどうも込み上げる笑いをかみ殺しているようである。本人は輝にバレていないと思い込んでいるようだが、バレバレだ。幾ら美人でも、この演技力では女優になるのは向いてないわね。
 輝は心の中で呟いた。まあ、このまま事が終われば、輝も強いて事を荒立てる気はなかった。別に自分より若くて可愛い子を苛めて悦に入る趣味はない。
 ところが―。輝が背を向けて数歩あるいたところで、後方からドッと笑い声が上がった。
「嫁かず後家が―」
「あれじゃ、通夜に出席した方が良いような格好―」
 悪意ある言葉の端々がどうしても耳に入ってくる。もう、我慢できなかった。
 輝は振り返ると、つかつかと彼女たちの方に戻った。

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