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雪の華~Memories~【彼氏いない歴31年の私】

第3章 LessonⅢ 悪意ある噂

 常務の第一秘書というのは、社内でもかなり重要なポストであり、エリートコースの登竜門といわれていて、秘書課の課長を兼ねる羨望の的であった。内容は常務の仕事を秘書としてサポートする他、秘書課に属する若い社員たちを統括・教育する係でもある。
「私にそんな大役が務まるでしょうか」
 ありがたい話ではあるが、自分のようなたいした働きもしてこなかった人間には、少々抜擢がすぎるのではないか。
 総務部長が笑った。
「おいおい、どうして君はそんなに自分を卑下するんだ? 大体、君は自分を過小評価しすぎだよ。あまりの自信過剰も考えものだが、本間君はもう少し自信を持った方が良いんじゃないのか」

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