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全部、愛してた。

第7章 思い出したくない過去

それから、輝は何も話さなくなってしまった。













絶望という闇に包まれているようだった。









「再起不能」----。





その言葉を聞いたとき、輝、泣いてた。












当たり前だよ。





あんなに頑張ってきたんだから。












事故から数日後、サッカー部の監督がお見舞いに来た。














そして、こう言った。














「早瀬、お前はもう、サッカーをできない体なんだ。退部しなさい。」












わたしはその場にいたくなかった。








空気が重くて、輝の悲しみがひしひしと伝わってくるようだった。


















輝は、その夜、手首を切った。











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